揺動切削とは？切粉を細かくすることで得られるメリットを解説！

1. 揺動切削とは？

揺動切削とはサーボ制御により工具を振動させ、切粉を細かく分断させる切削方法です。工具が揺動することにより空振り領域が生じ、切粉が切れるという仕組みとなっています。

旋盤加工では、回転しているワークに対して、ツールと呼ばれる切削工具を当てることで、ワークを削っていきいます。

その際、ワークの回転周期に合わせてツールを振動させることで、通常であれば直線的に排出される切粉を分断することができます。

瞬間的にワークを削らない「空振り」の瞬間が生まれるようにすることで、切粉を細かく生成しながら加工を進めています。

揺動切削そのものは切粉が細かく分断されて排出されるだ機能にすぎませんが、実は工作機械を稼働させていく上で様々なメリットが得られます。

切粉が細かく分断されることで、工具やワークへの巻き付きを防ぐことができ、加工時のトラブルによる機械停止を減らすことができます。

「自動化」が大きなテーマとなりつつある中で、機械稼働を支える一つの解決策となります。

長い切粉は加工の邪魔をするだけでなく、加工対象となるワークに直接キズを付けてしまう場合もあります。

切粉が細かくなり、詰まりや引っかかることなく排出されることで、ワークを切粉から守り、製品の品質を安定させることができます。

これまでの切粉対策には、「高圧クーラント」「チップブレーカー」などの手法が取られており、どれも機械とは別に設備導入を行う必要があります。また、使用するにあたっては機械稼働とは別に電力が必要となります。

揺動切削では特別な設備導入はいらず、使用時の消費電力も抑えることが可能なため、イニシャルコスト・ランニングコストどちらも削減することができます。

高圧クーラント装置などは機械の横に備え付けられるため、その分だけフロアスペースを占有していましたが、それらが不要となることで専有面積を減らすことができます。

揺動切削はどの機械でもすぐに始められるわけではなく、・・・・・・

すでに機械が対応していれば、NCオプションを搭載すればGコードでのプログラム指令をするだけで揺動切削をすることができます。