工作機械の種類や加工方法を紹介!どんな特徴がある?

工作機械

いまや生活に欠かせないスマートフォンや自動車などの製品は、すべて「工作機械」と総称される機械を使って作る部品によって生みだされるものばかり。

そんな、世の中のあらゆるものづくりを支えている工作機械には、加工したい形や素材に合わせて開発された様々な種類が存在します。

今回は、製造業の現場で使われている主な工作機械の種類や、それらを用いた加工方法についてご紹介します。

1.工作機械の種類

総務省の「日本標準商品分類」によると、「金属加工機械の種類」は、中分類、小分類及び細分類まで分類されており、細分類ではその用途によって約300種類と非常に多くの種類に分けられています。

引用:日本工作機械工業会(https://www.jmtba.or.jp/machine/introduction)

ものづくりの多様なニーズに応えるために、工作機械が長い歴史をかけて発展し続けてきたものだからこそ、これだけ多くの種類が作りだされたのでしょう。

2.代表的な工作機械

ボール盤

ボール盤

金属などの素材に穴をあける加工に優れた工作機械です。素材を本体の台の上に乗せて固定し、取り付けられた工具を回転させて削ることによって加工を行います。固定させているので加工時のずれも抑えられ、正確でスピーディーな穴あけ加工が可能です。

  • 【特徴・メリット】
  • ・素早く穴あけ加工ができる
  • ・真っすぐな穴を正確に開けることができる

主な種類
  • ・直立ボール盤
  • ・ラジアルボール盤
  • ・卓上ボール盤

中ぐり盤

ボール盤などを使って素材に開けた穴を、さらにくり抜いて広くする加工を行うための工作機械です。加工する対象物が大きい場合など、他の機械では開けることができない深い穴や直径の大きな穴を開けるときに使用されます。

  • 【特徴・メリット】
  • ・大きな穴や深い穴を開けられる
  • ・大型の工作物を作成できる

主な種類
  • ・横中ぐり盤
  • ・立中ぐり盤
  • ・NC中ぐり盤

旋盤

旋盤

金属などの材料を回転させ、そこへ刃物となる工具をあてることで円柱形に削ることのできる工作機械です。私たちの身近にあるほとんどの製品には旋盤で加工された部品が使われており、製造業の現場で広く活躍しています。

  • 【特徴・メリット】
  • ・円柱形の加工が得意
  • ・いろいろな素材の加工に対応

主な種類
  • ・汎用旋盤
  • ・NC旋盤

旋盤についてはこちらの記事でも紹介しています。

https://www.nakamura-tome.co.jp/2020/09/24/article_00001/

フライス盤

フライス盤

旋盤とは異なり、刃物となる工具自体を回転させることで材料を切ったり削ったりする工作機械です。本体のテーブルと呼ばれる台は上下左右に移動させることができ、平面をつくったり段差をつけるなど様々な加工が可能です。

  • 【特徴・メリット】
  • ・角ばったものに平面や段差、溝を入れたり穴を開ける際に使用
  • ・汎用のものはコストが低い

主な種類
  • ・立型フライス盤
  • ・横型フライス盤

フライス盤についてはこちらの記事でも紹介しています。

マシニングセンタ

マシニングセンタ

自動で工具の交換ができる「ATC(自動工具交換装置)」を備えた工作機械です。フライス盤のように、工具そのものを回転させて削る加工を行います。また、NC装置(数値制御装置)が取り付けられているので、加工プログラムをセットすることで様々な加工が1台のみで可能になります。

  • 【特徴・メリット】
  • ・量産体制に適している
  • ・高精度な加工が可能

主な種類
  • ・立型マシニングセンタ
  • ・横型マシニングセンタ
  • ・門型マシニングセンタ

マシニングセンタについてはこちらの記事でも紹介しています。

複合加工機

複合加工機

材料を別の工作機械に取り替える必要がなく、1台だけで複数の工程の加工を行うことができ、完成品まで仕上げることができる工作機械です。旋盤による加工とマシニングセンタによる加工、どちらの機能も1台に備えており、導入することで現場の生産効率をより高めてくれます。

  • 【特徴・メリット】
  • ・角ばったものに平面や段差、溝を入れたり穴を開ける際に使用
  • ・汎用のものはコストが低い

主な種類
  • ・ターニングセンタベースの複合加工機
  • ・マシニングセンタベースの複合加工機

複合加工機についてはこちらの記事でも紹介しています。

研削盤

研削盤

加工したい材料に回転する砥石を押し当てて表面を削り、仕上げの作業を行う工作機械です。硬くて加工の難しい素材にも使用でき、表面の仕上がりがきれいな、精度の高い加工が可能です。

  • 【特徴・メリット】
  • ・刃物で削れない硬い素材も加工できる
  • ・仕上げ面の粗さを小さくできる

主な種類
  • ・平面研削盤
  • ・円筒研削盤

歯切り盤

研削盤

材料となる素材を、歯車の形に加工できる工作機械です。動力を伝える部品として機械の中で動く歯車は、この歯切り盤からつくられています。円形のものや、傘のような形をしたものなど、用途に合わせて様々な形の歯車をつくる機械が存在します。

  • 【特徴・メリット】
  • ・色々な形の歯車を作れる
  • ・種類によっては加工が難しい特殊な形状の歯車も作れる

主な種類
  • ・ホブ盤
  • ・ギアシェーバ
  • ・歯車研削盤

3.工作機械を用いた加工方法

工作機械の加工方法は様々な種類に分けられますが、ここでは大きく分けて3つの方法をご紹介します。

切削加工

切削加工

刃物などの工具を使って、材料を削ったり穴を開けたりする加工を行うことを切削加工といいます。切削加工の代表的なものとしては旋盤、フライス盤、ボール盤、マシニングセンタなどによって行われる加工が当てはまります。

主な種類
  • ・フライス加工
  • ・旋盤加工

研削加工

研削加工

回転させた砥石を使って材料を少しずつ削り、表面の仕上げを行う加工を研削加工といいます。切削加工では削ることのできないような硬い材料でも、研削加工によって削ることができます。

主な種類
  • ・平面研削
  • ・円筒研削

特殊加工

特殊加工

切削加工、研削加工どちらの方法を用いても加工が難しい材料の場合は、特殊加工という方法によって加工が行われます。電気や超音波などといった物理・化学的なエネルギーを用いた方法で、非常に精密な加工が可能です。

主な種類
  • ・レーザー加工

4.まとめ

製造業の現場では、作りたい工作物の形に合わせてさまざまな工作機械が使い分けられています。そのため、それぞれの特徴やメリットを知り、生産性をアップさせることのできる最適な工作機械を選ぶことが大切です。

これまで、1台で複数の加工を可能とする複合加工機の登場や、近年ではAIとの連携など、日々進化を続けている工作機械ですが、さらなる技術の発展にこれからも期待しましょう。

【当社で作られている工作機械についてはこちら