生産能力が約300%向上!ロボットと複合加工機による工程集約
渋谷工業 様
会社概要
- 所在地
- 石川県金沢市
- 設立
- 1931年
- 事業内容
- 各種システム、半導体製造装置、医療機器部品などの開発・製造
- 導入製品
- JX-250、RoboSync
お客様の課題
従来は工程を分割し、複数の機械を渡り歩くやり方が中心でした。この方式は、段取りのやり直し、部品の運搬、機械が空くまでの待ち時間など、どうしても工程と工程の間にムダが生まれてしまいます。また、生産性向上のため、今まで検討したことがなかった複合加工機を導入したいという思いもありました。
解決策
工程間のムダを無くすために、複合加工機による工程集約を行い、無人運転に近い運用で多台持ち加工を実現しました。また、完全な自動化を目指してロボットシステムを導入し、24時間無人運転を増やして省人化に近づけることを目指しました。
導入の効果
生産能力
約300%アップ
導入前は120個のシリンダ加工に約2ヶ月を要していましたが、「JX-250」と「RoboSync」により約2週間へ短縮。工程集約と自動化で段取りや待機のロスが減り、作業効率は約75%向上。ライン全体の生産能力は約300%向上しました。
工程集約
最大7工程が1工程に
従来は最大7工程・3台で行っていた加工を、「JX-250」により1工程・1台に集約。段取り替えや搬送が不要となり、リードタイム短縮と品質の安定化を実現しました。オペレータの負担軽減と省人化にもつながっています。
無人化
24時間連続加工
「RoboSync」と「NTサーモナビゲーターAI」により、温度変化の影響を抑えた24時間連続加工を実現。同芯度が求められる部品でも高精度を維持できます。無人運転により重作業も削減され、安全性と作業環境の改善にも貢献しています。
ご導入いただいた製品はこちら
導入前と導入後の比較
<導入前>
- 加工の工程数が多い
- 複数機械・複数工程に分散している
- 工程間ロス(運搬/待ち)が発生する
- スケジューリングの複雑化
- 納期予測の不確実性
- 作業者負荷が高い
<導入後>
- ほぼ無人加工のため、作業者を別部品の加工に割り当てることが可能に(多台持ち加工)
- 工程集約により複数機械をわたる複雑なスケジューリングがなくなり部品の納期が明確に
- 工程集約したことで他の機械が余裕を持つことになり、別部品を割り当てることが可能に
渋谷工業様にインタビュー
プラント生産本部 工作Ⅰ部 工作Ⅲ課 課長
山﨑 匡
プラント生産本部 工作Ⅰ部 工作Ⅲ課
米田 和央
澁谷工業様について
生活に不可欠な業界の製造を支えるリーディングカンパニー
山﨑様:ボトリングシステムや製薬設備システムに使用される部品加工を担当する部門で、課長を務めています。品質・納期を守り、現場が安定して力を発揮できる環境づくりを大切にしています。
当社は、機械装置の開発・設計から製造、据付、アフターサービスまでを一貫して行っているメーカーです。中でもボトリングシステムや製薬設備システムの分野で、食品・飲料・医薬品といった生活に不可欠な業界の製造を支えるリーディングカンパニーとして、国内外で高い評価を受けています。
中村留の機械を知ったきっかけ
地元の工作機械メーカーとして改めて興味を持った
山﨑様:地元である石川県の工作機械メーカーとして昔から名前は知っていましたが、複合加工機の導入を検討する中で、複数のメーカーと比較検討したことが、中村留さんの機械を改めて知るきっかけになりました。
中村留の機械を導入した理由
決め手になったのは、充実したソフトウェアラインナップ
山﨑様:弊社で加工している部品は同芯度を厳しく求められるものが多く、対向主軸加工ではある程度避けられないズレが発生します。そのズレの量が、連続稼働を行っても公差の範囲を超えない必要がありました。なので、24時間稼働を行ううえで季節や時間帯による「温度変化」に伴う機械精度の低下を防げることを重視していました。

その中で決め手の一つになったのが、中村留さんから紹介していただいた熱変位補正システム「NTサーモナビゲーターAI」でした。他社とは考え方の異なるシステムだったため、導入にあたっては温度変化による精度への影響について中村留さんと時間をかけて確認を行いました。何かあればすぐに相談に乗ったり駆け付けてくれる中村留さんのサービス体制も、導入の決め手の一つとなりました。
また、加工オペレータは日々集中して作業を行っていますが、どうしても干渉によるトラブルはつきものです。そんな時に便利な中村留さんの機能が「エアバック」でした。主軸やチャックの被害を軽減できるので、万が一の際に非常に心強い機能だと感じました。できれば作動させることがないのが一番ですが、備えとして評価しています。
導入後の効果
ライン全体の生産能力が約300%向上。機械も1台で完成品に
山﨑様:中村留さんの機械の導入前は、カエリ取り・溶接工程を含めない場合だと、例えばシリンダを120個加工するのに約2ヶ月かかっていたのですが、導入後は約2週間ですべて加工することができるようになり、作業効率は約75%向上し、ライン全体の生産能力は約300%向上しました。
従来は加工が7工程あり、機械も3台使用していたのが、工程集約によって1工程にまとまり、機械も1台で完成品まで加工できるようになり、オペレータの負担を削減しながら生産量を上げることができました。

導入した機械は、ツインタレット仕様のATC型複合加工機「JX-250」と、24時間稼働を行うための協働ロボットシステム「RoboSync」です。主な用途としては、ボトリングシステムに使用される部品の一つであるバルブ部のシリンダや、大型充填機に使用されるアクチュエータ部品のケース加工を目的として導入しました。これらはいずれもロット生産品であり、当社において年間の製作数量が比較的多い部品となっています。
米田様:主にNC旋盤のオペレータとして部品の加工などを行っています。中村留さんの機械は、実際に使ってみると思った以上に感覚的に使えました。「エアバック」、「揺動切削」などの機能が充実しており、操作盤の見た目も良いので使っていて楽しいです。
「JX-250」で工程集約を行い、「RoboSync」によって24時間稼働の無人化を実現したことで、オペレータの負担は大幅に削減され、生産効率も大きく向上しました。また、加工しているワークは重量が重く、従来はワークの付け外し作業に大きな負担がかかっていましたが、自動化によってその作業負担も解消され、作業者の安全性および作業環境の改善にもつながっています。
導入時に苦労したこと
工具選定・工具寿命管理に苦労したが、スムーズに進められた
山﨑様:当機で加工する部品はステンレス材で、精度要求が厳しく工程数も多い複雑な部品が多いため、工具選定や工具寿命管理には苦労しました。また、マシニングでのバイス段取りとは異なり、チャック近傍での穴加工があるため、工具長を含めた干渉には想定以上に気を使いました。また無人加工となることから、切粉詰まりへの対策についてもさまざまな工夫を行いました。加えて、「揺動切削」を導入することで、より効果的な切粉排出を実現しています。
一方で、中村留さんの機械の操作盤「NT SmartX」は操作性や視認性が非常に良かったので、加工が安定するまでの立ち上げはスムーズに進んだと感じています。

米田様:工具主軸、対向スピンドル、ファナックなど、どれも初めて使用するものだったので、まずそれらの操作に慣れることに苦労しました。ただ中村留さんのサポートもあり、苦労したという記憶はあまり無いです。
中村留のサポートについて
迅速なサポートにより、安心して運用を進められた
山﨑様:トラブルが発生した際には、当日でもすぐに駆けつけて対応していただけた点は非常に助かりました。また、「RoboSync」の導入は当社が初めてだったこともあり、立ち上げ期間中は毎日サポートしていただき、安心して運用を進めることができました。
お互いに顔が分かる関係性の中で、現場の加工担当者も気兼ねなく確認や相談ができるようになったことは、非常に良かった点だと感じています。
米田様:中村留の皆さんは親しみやすい方ばかりだったので、何かわからないことがあった時に連絡しやすかったです。言葉だけでは伝わりづらいことがあった場合など、資料などを共有して分かりやすく説明していただけました。
また、まだ複合機の操作に慣れていなかった頃、自分だけでは作成できなかったプログラムの作成方法を提供してくれたことや、「揺動切削」や「トライアングルカット」を試すときに、現地まで来て指導いただけたのでとても助かりました。
今後の活用予定・自動化の展望
工程集約や自動化により、無人化をより一層推進したい
山﨑様:今秋には、さらに無人化を進めた新しい工場が稼働予定です。少人数で複数の機械を24時間動かす体制を目指しています。今回導入した複合加工機で得られたノウハウを基に、工程集約や自動化をより一層推進し、それらが当たり前となるような生産体制へとブラッシュアップしていきたいと考えています。